2人が出会ったのは、病院の中庭、朱色に色づく花を咲かせたザクロの木の前。病院で働く朱寿乃(すずの)はリハビリに通院する●●●の榴(りゅう)と出会う。この出会いがなければお互いに傷つく事はなかった。でもきっと、自分を好きになれる事もなかった。朱寿乃は下に6人の兄妹がいる大家族の長女。大家族と言えば聞こえはいいがこれは両親が大喧嘩の度に‘仲直り’を繰り返した結果で、そうすることで夫婦は今にも千切れそうな愛情をいびつな形で引き延ばしていたように思う。その証拠に母親はいつしか心を憔悴させ、夫と7人の子供たちを残し家を出てしまったのだ。それからは否応なしに朱寿乃は兄妹達の母親代わりとなり、兄妹達が皆結婚した今でもずっと誰かに尽くす人生を送っている。そろそろ自分の幸せを考えても…と言われても、どの兄妹よりも長く両親の姿を見ていた朱寿乃にとって、人並みに恋人を作り、結婚し、子供を持つことで得られる幸せなど想像できるはずもなかった。しかしそんな朱寿乃の人生観は榴との出会いで大きく動かされる―――。榴のリハビリを担当することになった朱寿乃は、明るい笑顔でなつく榴にまるで弟を相手にしている時のような安らぎを感じていた。そしてある時本人から聞いた家族との心の距離の話に痛いほどの共感を感じてからというもの、朱寿乃は抱いてはいけない感情が芽生え、リハビリの日数が経つにつれ気持ちは大きく膨らんでいく。リハビリという名目で会う間柄、特定の環境下で生まれる錯覚、一回りも違う年の差……。いくつもの理由を自分自身に言い聞かせ、この感情に蓋をした。蓋をするべきだと思った。――好きになったらダメなのに…!






















































































































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